« 2023年5月 | トップページ | 2023年8月 »

2023年6月 9日 (金)

分かっちゃいるけど、やっぱり切ない

 最近、ちょっと、いやかなりショッキングな出来事がありました。

 自宅近くの公園で、今年もカルガモが生まれました。
 カルガモは産卵場所で孵化した直後、近くの川などへ引越することが多く、母ガモの後をヨチヨチついて行く雛たちの健気な姿が、ニュースやテレビ番組でたびたび取り上げられていますね。今年も既に何度か目にしました。

 でもこの公園のカルガモは、ヒナが成長して羽(風切)が生えて飛べるようになるまで、同じ場所に居続けているようです。昨年、私が確認した限りですが……
 餌が豊富なのか? たんに面倒くさいだけなのか? その理由は母ガモに聞いてみないと分かりませんが、おかげで雛が成長し大人になる過程をずっと楽しむことができます。

D2023060901 5月に入ると今年もそろそろ生まれる? と数日おきに公園へ様子を見に行っていたところ、5月18日に池で泳いでいる雛を見つけました。数を数えると9羽。
 カルガモは孵化した直後から歩き、泳ぎ、潜り、餌をとることができます。小さな雛たちが水面をチョコチョコ泳ぎ回っている姿は可愛くて可愛くて、いつまで見ていても飽きませんね(^^) ただ暇なだけか > σ(^_^;)

 9羽全てが元気に成長することを祈りたいですが、現実はそんなに甘くはなく、1週間後(5月25日)には7羽に減っていました。街中の公園とはいえ、カラスも居れば野良猫も居る。外敵は多いのです。
 最後まで成長できるのは、良くて3、4羽でしょうか? だからこそ一度に沢山の卵を産むんですよね。
 ここまでは織り込み済みで、残念ではあるけれど“ショッキング”ではないのです。本当に“ショッキング”な出来事は、この翌日に起こりました。

D2023060902 5月26日。朝から良い天気。散歩も兼ね、カメラを持って件の公園へ……
 母ガモと7羽の雛たちは池で泳ぎ回った後、岸に上がって仲良く昼寝を始めました。ちょうど近くにベンチがあったので腰掛けて、昼寝中の親子ガモをぼんやり眺めて居ました。天気が良いので、私もウトウト……

 突然、近くに居た親子連れ(人間です)の悲鳴。
 目を開けると、池に逃げていく雛たちと母ガモに覆い被さる白い影。白い影はあっという間に、母ガモをくわえて茂みの中へ入っていきました。
 一瞬の事で何が起こったのか?? でしたが、カメラマンの性か無意識のままカメラを向けてシャッターを押していました。

D2023060903 撮影した画像を確認すると、母ガモを組み伏せる白い猫が写っていました(※一部にモザイク入れてあります)。
 カルガモはカモ類の中でも大きい部類なので、猫が成鳥を襲ったのはかなり意外でした。雛が皆逃げてしまったので、とっさに狙いを変えたのかもしれません。しかし組み伏せてしまえば爪と牙の威力は絶大で、もし駆け寄って猫を引き離したとしても、母ガモは助からなかったと思います。たぶん……

 雛たちは7羽とも無事で、何事も無かったように池を泳いでいます。前述のようにカルガモは孵化直後から自分で餌をとることができるため、母ガモが居なくなっても飢え死にすることはないと思います。
 でもな~、飛べるようになるまでの2ヶ月弱、雛たちだけでいろいろな危険を回避して生き残るのはかなり困難だと思います。
 なら父ガモは……カルガモの雄は抱卵、子育てには関与しないようで、まったく頼りになりません。

 予想したとおり、雛は徐々に減っていき一週間後には4羽。そして6月2日、台風2号の影響による豪雨。心配はしていたものの用事があって様子を見に行けず。数日後に行ってみると、雛は1羽も残っていませんでした。また猫に襲われたか? 水に流されたか??
 やはり母ガモ不在で生き延びるのは無理だったか? 分かっちゃいるけど切ないです。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

くらべてわかる野鳥文庫版 (ヤマケイ文庫) [ 叶内拓哉 ]
価格:968円(税込、送料無料) (2024/3/6時点)



| | コメント (0)

« 2023年5月 | トップページ | 2023年8月 »