「新解さんの謎」の謎
Amazonでとある本を買ったとき「この商品を買った人はこんな商品も買っています」で紹介された本、
赤瀬川原平 著「新解さんの謎」。内容説明によれば……
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辞書の中から立ち現われた謎の男。魚が好きで苦労人、女に厳しく、金はない―。「新解さん」とは、はたして何者か?三省堂「新明解国語辞典」の不思議な世界に踏み込んで、抱腹絶倒。でもちょっと真面目な言葉のジャングル探検記。
== 《Amazon購入ページより引用》
面白そうだったのでさっそく購入(最近このパターンで本の購入量が増えてます)。読んでみると↑の説明とはちょっと異なり(?) 著者とその知り合いのSM君が「新明解国語辞典」の記述を引用した上で、辞書を擬人化した「新解さん」なる人物像や、旧版からの記述の違いから「新解さん」がどんな人生を歩んできたかを想像して語りあうと言うもの。
この語り合いの部分も十分面白いけど、そもそも「新明解国語辞典」の記述が面白い、噂には聞いていたけど今回初体験。例えばこんな感じ……
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れん あい【恋愛】
特定の異性に特別の愛情をいだいて、二人だけで一緒に居たい、出来るなら合体したいという気持ちを持ちながら、それが、常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる・(まれにかなえられて歓喜する)状態。
がっ たい【合体】
起原・由来の違うものが新しい理念の下(モト)に一体となって何かを運営すること。
「性交」の、この辞書でのえんきょく表現。
== 《「新解さんの謎」より引用(一部省略有り)》
う~ん、これは一冊欲しいぞ……で、さっそく購入、また本が増えた(..;)
もちろん先ず「恋愛」を引いてみる(^^ゞ
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れん あい【恋愛】
特定の異性に対して他の全てを犠牲にしても悔い無いと思い込むような愛情をいだき、常に相手のことを思っては、二人だけでいたい、二人だけの世界を分かち合いたいと願い、それがかなえられたと言っては喜び、ちょっとでも疑念が生じれば不安になるといった状態に身を置くこと。
== 《「新明解国語辞典 第七版」より引用(一部省略有り)》
あれ違うな~??
良く見ると「新解さんの謎」で引用しているのは主に第三・四版で、私が買ったのは第七版。恋愛に込めた思いが「合体」を求める本能的なものから、プラトニック(?)な感情に変化している。「新解さん」は第三・四版から第七版になる間に、大きく成長したのか? それとも綺麗事を言うようになってしまったのか?
他にも……
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たらば がに【鱈場蟹】
北方の海でたくさんとれる、カニによく似た節足動物。大形で肉がおいしく、缶詰にする。
== 《「新解さんの謎」より引用(一部省略有り)》
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たらば がに【鱈場蟹】
〔タラの漁場でとれたということから〕北洋でとれる、カニによく似たヤドカリ類の節足動物。大形で肉は美味。
== 《「新明解国語辞典 第七版」より引用(一部省略有り)》
説明が親切になった反面「缶詰にする」の記述が消えている。実は「新解さんの謎」のなかで著者から「缶詰限定?」との突っ込みを受けている。もしかして「新解さん」は「新解さんの謎」を読んで、考えを改めたのだろうか? それと缶詰以外の美味しい食べ方を自ら体験したのだろうか? 想像するだけで面白い。
「新解さんの謎」と「新明解国語辞」の読み合わせが止まらない(^^ゞ いや「新解さんの謎」に登場するSM君よろしく「新明解国語辞」を持ち歩いて、頭から熟読してみたい。辞書を読書の対象にしたいと思ったのは初めて(^^ゞ
で最後に「読書」とは……
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どく しょ【読書】
〔研究調査や受験勉強の時などと違って〕一時(イットキ)現実の世界を離れ、精神を未知の世界に遊ばせたり 人生観を確固不動のものたらしめたり するために、(時間の束縛を受けること無く)本を読むこと。
== 《「新明解国語辞典 第七版」より引用(一部省略有り)》
ってことは「新明解国語辞」は十分読書の対象になりますね~。後は「時間の束縛を受けること無く本を読む」ことがができる身分に早くなりたい(^^ゞ
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